富山大学 理学部 学部案内2025
16/32

生命の不思議を解き明かす生物学科4年大学院理工学研究科地球生命環境科学プログラム博士前期課程1年 (生物学科卒業)プログラム紹介/生物科学プログラム写真は研究材料の例/魚類の脳(左上) 細胞(左下) ライチョウ(右上) アフリカングラスラット(右中) セイヨウタンポポ(右下) 私は共生生物学をテーマとする研究室に所属しており、害虫の生存に必須である内部共生系を標的とした新規防除資材の開発に向けた研究に取り組んでいます。害虫対策には殺虫剤が有効ですが、現行の殺虫剤は受粉虫に対する慢性的な毒性を示すなど、周辺環境への影響が顕在化しています。持続可能な農業構築に向け、環境負荷が少ない防除資材の開発は喫緊の課題です。多くの害虫の体内には、必須共生細菌を収納する菌細胞塊があり、餌に不足する栄養源の供給を受けています。菌細胞は、訪花昆虫等に存在しないため、そこで働く分子は特異的標的になり得ると考え、その分子の機能阻害剤開発を目指しています。生物学科では様々な生物を対象とした研究室があり、マクロな現象からミクロな現象まで研究テーマも多分野にわたります。きっと皆さんの興味を惹くテーマが見つかると思います。 研究活動はもちろん困難や苦労も多いですが、その分成果が出た際に研究の楽しさや自分の成長を実感することができます。もっと生物を学びたいという皆さん、お待ちしています!15生物科学プログラムは、生物の複雑な構造と体制の維持に不可欠な情報伝達の機能的な連関を解明することを教育?研究の基本理念としています。私たちは、生命現象についての理解を深め、生命の普遍性と多様性について主体的な学習を通じて洞察することができる人材を育成するために、教育?研究活動を行っています。 生物科学プログラムでは、遺伝子から個体、生態系レベルにわたって様々な講義が開講されており、自身の興味に沿った専門的な学びを得ることができます。例えば、動物園や水族館への実習を通して、生物や生命現象についてのグループワークを経験し、生物学についての基礎を学ぶことができます。生物科学プログラムでは、学外での講義も多く開講されます。立山での高山植物の調査や昆虫の採取、海での水生生物の調査など、富山の自然を生かした魅力ある教育を選択することができます。このような学外実習の際などに、座学で学んだ知識が実際の生物の振る舞いとつながった時、生物学って面白いなと感じます。学生実験も行われるため、植物の重力応答や成分分析、動物解剖、細胞培養など、先生方の研究テーマに沿った学習ができます。4年次以降は研究室に配属され、今までの学生生活の中で興味を持った分野について研究を行うことができます。 生物科学プログラムは、生物が好きという方やもっと詳しく学びたいと思っている方にうってつけだと思います。富山の自然豊かな環境の中で、自分だけの「学び」を見つけてみませんか。Program of Biological Science生物学科の先輩からのメッセージ生物科学プログラム

元のページ  ../index.html#16

このブックを見る