富山大学 医学部 学部案内2025
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16対象理解ケアリング援助ニーズのアセスメント保健師,助産師,看護師は人の尊厳を重視し,人々の発達課題と生活の場を考慮して,からだ?こころ?くらしのありようを統合体としてとらえ,理解していく能力が求められます。専門的な用語ではこれを「対象理解」と表し,あたかも相手の目線で物事を捉えられるようになること,相手の立場に立って気持ちを想像し,対象の看護ニーズをとらえることが重要になります。人を理解するということは看護の本質であり,言うのは簡単ですが,修得するのにはトレーニングが必要です。4年生でも,実習において「電子カルテ情報をとることはできたけれども,個別性のある看護計画を立てることは難しかった。」と感想を述べる学生が多々います。このような状況を学生自身が乗り越える手段として,対象に関心を向け,寄り添い,言葉を交わし,生の声を聴いていく方法をとっています。熱心に患者に関心を向けることを専門的な用語では「ケアリング」と言いますが,援助的な態度をとりながら関係性を構築していく相互的なかかわりです。人間対人間の関係性を主軸に,ケアする人とケアされる人の相互関係によって,双方が成長していくという関係性のことでもあります。対象の真のニーズは目に見えるものも,からだやこころの中にあって目に見えないものもあり,疾患や認知のゆがみは表面に表れないこともあります。このように検査データとして表れないようなニーズを専門的には「潜在的ニーズ」と呼び,逆に目に見えるもの,つまり検査データに表れるものや言語化されたものを「顕在的GUIDANCE看護学の立場から人を全人的にとらえる看護職を育むカリキュラム

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