富山大学 教育学部 学部案内2025
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 本講義の目的は、富山県に関する歴史?自然?産業?文化など富山県に特色ある内容を取り上げ、地域に対する理解を深めることを通して、(1)教員としての情熱?希望?使命感を高めるとともに(2)教材開発などの実践的指導力の向上を図ることにあります。この講義においては、富山県教育委員会から派遣された各教育事務所等の指導主事の方を講師として、15回の講義の内12回分を担当していただいています。 受講学生の感想 多くの先生が実体験をもとにして講義を進められており、実際に関連する場所を訪ねたり、専門の方にお話を聞いたりと、先生自身が学んだことを中心として私達に授業をしてくださいました。やはり、講義を聞いていても印象に残るのは実際に行って先生が驚いたこと、先生が挑戦して失敗したこと、成功して学んだことや得られたものについてのお話であり、実体験は授業を聞いている人に大きな刺激をあたえ、印象に残る授業をすることができるのだと学びました。普段は教えてもらう、という視点で子どもは先生を見ていますが、先生も知らないことは多くあり、人に聞く、調べる、実際に行ってみることで新たな学びを得られるということを教員が示すことで、積極的に学ぶ姿勢を示すことができます。積極的に学ぶ姿勢は学校におけるすべての授業に必要なものであり、大人の姿を見て学んでいく子どもにとって、学びを楽しんでいる教員の姿は大きな刺激を与えることができるのだと考えました。(「富山学」最終レポートから。一部字句や表現を修正)■心のサポーター 学部授業「臨床心理実習」として実施します。県教育委員会、市町村教育委員会及び富山大学教育学部の連携?協力のもと、心理学系の3?4年及び大学院生を県内の小?中学校(主に中学校)に派遣し、休憩時間や放課後等に行う相談活動の補助を同一校において継続して行います。相談活動を一層充実させ、個に応じたきめ細かな支援を推進するとともに、教員志望の学生の資質能力の向上を図ります。■英語学習パートナー 英語を得意とする学生を小学校に派遣し、英語学習パートナーとして外国語活動?外国語科の指導補助に取り組むことにより、児童の英語でのコミュニケーションへの意欲の向上を図りながら、指導を一層充実させるとともに、教員志望の学生の資質?能力等の向上を図ります。■観察実験アシスタント 授業やゼミの空き時間を活用し、毎週1回程度通勤する「長期のインターンシップ(有給)」で、小学校?中学校理科の実験?観察の準備?片付け、予備実験、授業補助、理科室や理科準備室等の環境整備をするのがその仕事です。いずれも、小?中学校の理科の授業を行うための重要な仕事で、これらを学校で経験することで、学生時代に理科の授業づくりについての現場感覚を磨くとともに、教職への意欲を高めています。 観察実験アシスタントが理科の授業に必要な基本的な知識や技能を身に付けるために、6月と8月に富山県総合教育センターで行われるのが実技研修会です。6月は前期勤務開始の学生が、8月は後期勤務開始の学生がそれぞれ受講対象で、物理、化学、生物、地学の4分野に分かれて研修を受けます。 研修内容は、単眼(双眼実体)顕微鏡による微生物?鉱物の観察や水溶液のろ過および蒸発乾固といった小?中学校理科の指導に直結する内容、実験器具の洗浄方法や電気を使った実験の基本操作と安全指導、児童生徒への学習補助の仕方など多岐にわたります。 これらの研修内容や日々の観察実験アシスタントとしての活動は、将来教職に就いたときにも大いに役立つものです。■外国人支援スタッフ 教員志望の2年生以上の学生を小?中学校に派遣し、外国人児童生徒への学習面でのサポートや生活面での補助等、学校生活支援に取り組んでいます。●令和5年度に行われた講義の内容第1回 「富山学」とは何か 第2回 地域教材研究とは何か 第3回 富山の発展と藤井能三 第4回 都道府県ランキングを生かした算数?数学の教材 第5回 富山と滝廉太郎の関わり 第6回 富山にまつわる天体の話 第7回 富山県の国際化の現状と今後の教育の方向性 第8回 富山の魚   第1回 富山県のなぜ? どうして? 自然?科学 第2回 富山と文学と 第3回 校外学習について 第4回 富山の水 第5回 思い出のごはんと食育~富山の学校給食や郷土料理~ 第6回 とやまいろ~「色」から富山を考える~ 第7回 「富山学」まとめ 前半後半観察実験アシスタントに参加して 私は週に1回、1限から4限まで、約半年ほど活動を行いました。主な活動は理科の授業の補助と理科室及び準備室の整備、理科の授業の実験準備でした。  理科室及び準備室の整備は、児童に直接関わるような取り組みではありませんでしたが、実験を経て汚れてしまった器具をきれいにしたり、気づかぬ間にひびの入ってしまった器具を廃棄したりすることで、自身の行っている行為が、児童が安全に気持ちよく扱うことにつながっていると感じられると達成感や喜びを得ることができました。また、実験の準備についても、自身の取り組みが子どもの学びにつながっていることに喜びを感じると共に、教師の仕事は授業を行うだけではなく、実験の授業の準備を行うことも当然仕事の範疇であり、教職の大変さや仕事の多さを改めて感じました。  そして、理科の授業の補佐については、3年生から6年生まで、多様な学年の授業に参加することができました。これによって、各学年の児童の発達段階に合わせた教師の指導の違いを知ることができました。この違いは教育現場に間近にいることによって得られる学びでした。また、授業の補助では児童の気づきを間近で見ることができました。主に、実験中が多かったですが、実験を行う中で児童はどうなると○○になるのか、□□になるとどうなるのかなど、新しい事象に気付き、更に疑問や考えを発展させる様子が見られました。  私は、観察実験アシスタントを通して多くの知識と経験を得ることができました。理科室のあらゆるところから実験に必要な器具を探したり、汚れが落ちない器具を様々な工夫をしてきれいにしたりと、大変だったこともありますが、その倍以上に得たものは大きく、自身が児童の学びをアシストできていることに喜びを感じることのできる、良い経験だったと思います。(教育学部3年) 9■地域教材研究(富山学)

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