富山大学 教育学部 学部案内2024
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 本講義の目的は、富山県に関する歴史?自然?産業?文化など富山県に特色ある内容を取り上げ、地域に対する理解を深めることを通して、(1)教員としての情熱?希望?使命感を高めるとともに(2)教材開発などの実践的指導力の向上を図ることにあります。この講義においては、富山県教育委員会から派遣された各教育事務所等の指導主事の方を講師として、15回の講義の内12回分を担当していただいています。 観察実験アシスタントでは、週に1回3時間程度、理科の授業における実験補助、実験の準備や後片付け、理科室及び理科準備室の整理整頓を行います。担任の先生と授業の打ち合わせをしたり、理科主任の先生に分からないことを尋ねたりしながら、先生方との連携のとり方について多くの学びを得ることができました。 本活動ならではの学びもたくさんあります。私はアシスタントとして理科の授業に関わっていくなかで、実験中の配慮について具体的に考えることができるようになりました。ある日の授業、子どもが誤ってビーカーを割ってしまうことがありました。授業後、私は「割らないために」何ができたのか振り返りました。落ち着いた学習環境であったか、子どもたちが歩く動線は確保されていたか、この一件から安全のための配慮を十分行うことの大切さを学びました。楽しい理科の実験のために、実は多くの配慮がなされています。だからこそ実験中に子どもが楽しそうな姿を見ると、実験のサポートができたことを嬉しく、そして誇らしく思います。(発達福祉コース3年 笠井智桜)受講学生の感想 この講義を通して地域教材を学ぶ中で得られたものは私たち大学生だけではなく子どもにとっても、地域教材を有効に使えることが多いのではないかということです。例えば、数学の文章問題を作るときに問題文中にその土地の名前や標高といったものを取り入れることをすれば子どもは自然と自分の住む地域のことを知ることができ、興味がなければ知らないような地域の情報でも身近に感じることができるのではないかと考えます。このように少しずつでも自分の地域に関心が持てるようなことを授業に取り入れていくことで子どもたちの様々なものを知る機会の選択を広げられるのではないかと考えます。また、地域教材を学ぶことで正しい調査方法、学習方法を得ることができます。さらにその地域教材で地域の経済的な動向などをつかむことができたら、もしその土地で仕事に就いたときに利益を増やせるような戦略方法を考えることに役立つと考えます。このように?富山学?での学びは将来的に活用されることが多いのではないかと考えます。(?富山学?最終レポートから)■心のサポーター 学部授業「臨床心理実習」として実施します。県教育委員会、市町村教育委員会及び富山大学教育学部の連携?協力のもと、心理学系の3?4年及び大学院生を県内の小?中学校(主に中学校)に派遣し、休憩時間や放課後等に行う相談活動の補助を同一校において継続して行います。相談活動を一層充実させ、個に応じたきめ細かな支援を推進するとともに、教員志望の学生等の資質能力の向上を図ります。■観察実験アシスタント 授業やゼミの空き時間を活用し、毎週1回程度通勤する「長期のインターンシップ(有給)」で、小学校?中学校理科の実験?観察の準備?片付け、予備実験、授業補助、理科室や理科準備室等の環境整備をすることが仕事です。いずれも、小?中学校の理科の授業を行うための重要な仕事で、これらを学校で経験することで、学生時代に理科の授業づくりについての現場感覚を磨くとともに、教職への意欲を高めています。 観察実験アシスタントが理科の授業に必要な基本的な知識や技能を身に付けるために、6月と8月に富山県総合教育センターで実技研修会が行われます。6月は前期勤務開始の学生が、8月は後期勤務開始の学生がそれぞれ受講対象で、物理、化学、生物、地学の4分野に分かれて研修を受けます。 研修内容は、単眼(双眼実体)顕微鏡による微生物?鉱物の観察や水溶液のろ過及び蒸発乾固といった小?中学校理科の指導に直結する内容、実験器具の洗浄方法や電気を使った実験の基本操作と安全指導、児童生徒への学習補助の仕方など多岐にわたります。 これらの研修内容や日々の観察実験アシスタントとしての活動は、将来教職に就いたときにも大いに役立つものです。■英語学習パートナー 英語を得意とする大学生を小学校に派遣し、英語学習パートナーとして外国語活動?外国語科の指導補助に取り組むことにより、児童の英語でのコミュニケーションへの意欲の向上を図りながら、指導を一層充実させるとともに、教員志望の大学生の資質?能力等の向上を図ります。●令和4年度に行われた講義の内容第1回  「富山学」とは何か第2回  地域教材研究とは何か第3回  富山の農業の現状と課題  第4回  自然?科学ものがたり  第5回  富山の言葉?文化第6回  地域教材の魅力-蜃気楼を研究する-  第7回  富山の考古学からみえるもの  第8回  YKK創業者 吉田忠雄について  第1回  富山の特産物  第2回  小学校社会科における地域資源の教材化 第3回  豊かなスポーツライフの実現 第4回  高岡の歴史と伝統を生かす 第5回  富山の水 第6回  富山県?路面電車の旅 第7回  「富山学」まとめ観察実験アシスタントに参加して豊かな人材を育てるために前半後半9■地域教材研究(富山学)

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